震災14周年 追悼行事を回ってみました
2009.1.17



    兵庫県に戻ってきてから11年。
    しかし、最初の2年間は皇族来県の取材に走りまわり、
    次の2年は北の果て・但馬、翌年は首都・東京、
    それ以降はこの時期がまさに仕事のピークであったため、
    一度も震災追悼行事などを覗く機会がありませんでした。
    今年は仕事も変わり、17日は土曜日でもあり、
    1日かけて各地の追悼行事を巡ってみました。(2009.1.21掲載)



    阪急御影―(阪急)―阪急三宮
     →@神戸市・東遊園地「阪神淡路大震災1.17のつどい」

朝の阪急三宮駅 1.17のつどい 竹灯籠
神戸市役所南の東遊園地で行われた「阪神淡路大震災1・17のつどい」。震災周年行事としては最もよくマスコミに取り上げられている行事である。 神戸市役所南の東遊園地で行われた「阪神淡路大震災1・17のつどい」。震災周年行事としては最もよくマスコミに取り上げられている行事である。 たしかに、この竹灯籠の仕掛けは秀逸。幻想的な雰囲気とともに、追悼という意味も十分に伝わってくる。写真映りもよく、アマチュアカメラマンも多かった。
点火作業 生中継 ・
ろうそくは、ボランティアの方が現地で配ってくれる。竹灯籠の中には消えているものも結構あるため、遅い時間に行っても、点灯に参加することが可能。 NHK以外の民放もほとんどが生中継を行っていた。震災は、単に絵になるだけではなく、マスコミ関係者にも大きな波紋を投げかけたと聞く。 1.17の「.」の部分は他とは違い、中心部が大きくせり出した形をしている。こういうことは、本当に現地に行って見てみないと分からない。
追悼のつどい モニュメント上から モニュメント下から
追悼のつどい。被災者代表の女性と神戸市の矢田市長。後ろには市民代表(つどいの実行委員)を並べており、ちょっとアメリカ大統領の演説風ではある。 神戸市の「慰霊と復興のモニュメント」。地下式になっており、天井はガラスでその上に水が張ってある。献花として、そこに花を浮かべていく。 これがモニュメントの中から上を見上げた写真。中には犠牲者のネームプレートが並んでいる。ちなみに、神戸市の献花は「菊(花のみ)」であった。
希望の灯り 炊き出し 関電1.17
1.17希望の灯(あか)り 。この日に限らず365日付いており、東遊園地の竹灯籠や新長田駅前など、灯りを使った震災イベントに毎年分灯されている。 東遊園地では、豚汁やスターバックスコーヒー、紀州の梅干しなどの振る舞い(炊き出し)が行われていた。豚汁は炊き出しの定番だが、ありがたい。 手前に高層マンションが建ちつつあるものの、関電ビルもなんとか1.17を作っていた。来年度以降、マンション新住民が点灯・消灯に協力してくれるだろうか…。



    阪神三宮―(阪神)―阪神芦屋
     →A神戸市・芦屋公園「1・17芦屋市祈りと誓い」

芦屋市祈りと誓い 芦屋公園内 芦屋警察署の半旗
マスコミは火災のひどかった長田方面の被害をクローズアップしたが、実は家屋倒壊などで多数の犠牲が出たのは東灘区〜芦屋市〜西宮市の方であった。 芦屋市は市として取り組んでいるようで、腕章をつけた動員の職員さん多数。ちなみに、芦屋市の献花は「菊(茎つき)」。神戸新聞の記者も取材していた。 阪神芦屋川駅北側の芦屋警察署。古い外観を保存しつつ、内部はすっかり近代的なビルに生まれ変わった。正面の国旗、県警本部旗は半旗。



    阪急芦屋川―(阪急)―苦楽園
     →B西宮市・西宮震災記念碑公園「西宮震災記念碑公園での記帳」

震災記念碑公園 震災記念碑 花はカーネーション
西宮市は家屋倒壊が多かったのみならず、仁川百合野の地滑りという、天災とも人災ともとれる被害が発生した街でもある。今だに関係者の傷は癒えていない。 西宮震災記念公園は西宮市営の霊園の近くにある。周囲は閑静な住宅街。犬の散歩がてらに訪れる人や、特定の名前のところに水をかけている人も。 西宮市は公式には記帳だけで、献花の花は予算措置していないらしい。代わりに市職員労働組合が、「カーネーション(茎つき)」を配ってくれる。



    満池谷―(阪神バス)―阪神西宮―(阪神)―阪神三宮・阪急三宮―(阪急)―王子公園
     →ひょうご安全の日のつどい
      C「1.17ひょうごメモリアルウォーク2009(東2キロコース)」
      D「1.17のつどい」「交流ひろば・ステージ」

メモリアルウォーク1 メモリアルウォーク2 メモリアルウォーク3
震災関連行事として、確か6周年からはじまった「メモリアルウォーク」。震災を思い起こしつつ、復興した街を歩くという、高齢者の健康志向にも合致した事業。 今回は、一番短い東2キロコースを選択。何か不穏な空気が漂うと思っていたところ、突然、民主党の鳩山幹事長と井戸まさえ県議会議員が登場。 としばらくして、今度は井戸知事、佐藤防災担当大臣、盛山正仁衆議院議員が来場。このコースは一番短いため、どうも特殊な位置づけらしい。
メモリアルウォーク4 メモリアルウォーク5 メモリアルウォーク6
佐藤防災大臣がはばタンを従えてご挨拶。絶妙なシナリオや立派なお立ち台なども急きょ用意したのであろう。担当者は大変ご苦労であったろうと同情。 ちなみに、井戸県議が兵庫1区(神戸市東灘区・灘区・中央区)民主党公認候補、盛山代議士が兵庫1区自民党公認候補。グラウンドは、まさに主戦場と化した。 ということで、東2キロコースは子どもからお年寄まで、さらには背広を着た政治家、SPまで含め、多彩なメンバーにより、王子公園をスタート。
王子公園駅 やはり目立つ 続々と集結
まじめな話をすると、この王子公園・JR灘駅間というのは、震災鉄道分断時の迂回ルートであり、あのときは本当に多くの人がリュックを背負い歩いた道である。 知名度という点では、鳩山幹事長と井戸知事が抜群の様子。町の人からも結構声をかけられていた。鳩山さんは背が高く、頭2つ飛び出た感じ。 ちなみに、井戸知事と井戸県議は親戚ではないが、県議のご主人の出身地が知事と同じ旧新宮町とのこと。ただ、「井戸」は旧新宮町内でも珍しい名前らしい。
兵庫県フリーク 県立美術館前 ゴール
参加者の中には「兵庫県フリーク」もいる様子。このバッチは「但馬四季彩94」と「ジャパンフローラ(淡路花博)2000」。「のじぎく兵庫国体」も欲しいところ。 各地から歩いてきた参加者が、続々とHAT神戸に集結。普段は人影もまばらな兵庫県立美術館前にも多くの人がゴール目指して歩いている。 そして、ゴール。2キロでは感慨もないが、西宮市からの15キロや長田区からの10キロを歩いてきた人は達成感もあるだろう。記念品はピンバッチ。
式典会場開催前 式典会場開催中 式典会場開催後
県が中心となって行う式典「1.17のつどい」は人と防災未来センター前の屋外で開催。今日は暖かくてよいが、雨の時はどうするのだろうか? 一般参加者も立ち見ではあるが、後ろで聞くことができる。正午にカリヨン時計塔の鐘に合わせて黙とう。その後、新成人による誓いの言葉などもあった。 震災から今年で14周年。新成人にとっては、震災は幼稚園時代の出来事。確かに確実に時は過ぎているなあと感じずにはいられない。
献花台 シェルターフェスティバル 救急法の講習
県式典の献花は、「カーネーション(花のみ)」。やはりカーネーションが淡路市の特産品だからだろう。5時46分を示しているモニュメント前で行われた。 なぎさ公園では数々のイベントも開催。これはシェルターフェスティバルと言って、短冊をこれにつるすことができるとのこと。安藤建築には似合うかも。 三角巾を使った救急法の講習会も行われていた。高校生(舞子高校防災科?)たちがわいわい言いながら、楽しそうに取り組んでいた。
日赤テント 自衛隊炊具 ブルボン出展
日赤は災害時に病院として使えるテントを出展。中ではAEDの講習会が行われていた模様(自信がない)。また、さまざまな防災用具を展示していた。 大人気なのが、自衛隊の炊き出し車。カレーの振る舞いがあるようで、配布予定時間の30分以上も前から長蛇の列となっていた。さすがにチャレンジしなかった。 その他、防災用具の展示即売や企業のパネル展示などもあった。ブルボンは新潟県中越沖地震で大きな被害を受けたが、今は立ち直っているとのこと。
消火訓練 偵察用バイク カエルキャラバン
消防や警察の資機材の実演、紹介などもあった。これは消火器を使った消火訓練。また煙の中で動く訓練というのも。(ぜんそく持ちなので、さすがにパス。) 軍オタ君が泣いて喜びそうな偵察用バイク。災害の状況などを把握するために使われるとのことだが、当然本来用務は別のところにあるわけで…。 となりのJICAビル内では、楽しみながら防災を学ぶ「イザ!カエルキャラバン」を実施中。JICA内開催ということで、今回はアシスタントも国際色豊か。



    王子公園―(阪急)―逆瀬川―(阪急バス)―ゆずり葉台
     →E宝塚市・ゆずり葉緑地公園「宝塚市犠牲者慰霊」

宝塚市犠牲者慰霊 鎮魂の碑 ゆずり葉緑地公園
宝塚市も割と広範囲で被害を受けている。記念碑は、正直かなり不便なところにあるが、市街地を一望できる場所に設置したとのこと。 午後4時過ぎで、さすがに訪れる人も少なかった。4本の塔で真中の碑を包み込むイメージらしい。献花の「菊(茎つき)」は宝塚市当局が用意してくれる。 ちなみに周囲は相当バブリーにお金をかけた砂防公園。石彫は94年に行ったコンクールの作品らしいが、震災でみな転んでしまったため、修復したとのこと。



    宝塚西高校前―(阪急バス)―逆瀬川―(阪急)―阪急三宮―(神戸市営地下鉄)―苅藻
     →F神戸市長田区・南尻池公園「真野地区1・17「希望の灯り」」
     →G神戸市長田区・西神戸センター街「神戸フリーライブ「ONE LOVE」」
     →H神戸市長田区・新長田駅前広場「1・17KOBEに灯りをinながた」

住民と企業が共生するまち 希望の灯り1 希望の灯り2
震災前から先進的な街づくりがなされていたことで有名な神戸市長田区の「真野地区」へ。住所表示としては東尻池、浜添通、苅藻通あたり。 もともと公害で企業と住民が対決したものの、それが環境やまちづくりへの関心につながり、適度な住宅と工場の分離などを目指すまちづくり協定に至った。 震災時もバケツリレーなどで協力体制がいかんなく発揮された。そのため、他の長田区の地域に比べて古い街並みが残っている。また昼間に訪問したい街である。
希望の灯り3 希望の灯り4 希望の灯り5
さて、この希望の灯りはペットボトル+砂で、砂にろうそくが立ててある。ペットボトルはどうも子どもたちが塗っているようで、ところどころかわいいものもある。 ここもマスコミによく取り上げられたところ。今回も、スチール3社ぐらいをみかけた。また、上空をひっきりなしにヘリが3台ほど行き来している。 文字は「生きる」「1.17」「祈」「まの」。町のテーマソングを歌い、婦人会が作ったうどんをたべ、みなで片付けるという手作り感の高いイベントであった。
ONE LOVE 鉄人28号 震災復興メモリアル2009
西に10分ほど歩いて、西神戸センター街の「ONE LOVE」へ。川島あいなどがずっと続けている1.17の路上ライブ。今回は残念ながら、ちょっと覗いただけ。 ちなみに、長田では鉄人28号の実物大モニュメント(高さ18メートル)を作ろうと活動中。いろいろ頑張っているようだが、なかなか次に進めない様子。 JR新長田駅南の商店街でも、小規模ではあるが震災復興関係のイベントをやっていた模様。確かにきれいになり、一見復興しているのではあるが…。
KOBEに灯りをinながた1 KOBEに灯りをinながた2 KOBEに灯りをinながた3
JR新長田駅前で行われていた「KOBEに灯りをinながた」。ここはペットボトルに水を入れ、アルミホイルで作った船を浮かべ、中にろうそくを設置する方法。 広場では、震災を機に発足した、多言語・多文化の放送局・FMわいわいの生中継も行っていた。震災が作り上げた新しい神戸文化のひとつ。 ここの灯りは、駅前再開発ビル内の市立ホールから綺麗に文字を確認することができるのがすぐれた点。「1.17 ながた」としっかり読むことができる。



    新長田−(JR)−三ノ宮
     →I神戸市・東遊園地「阪神淡路大震災1.17のつどい」(市役所展望ロビーから)

東遊園地1 東遊園地2 神戸の灯り
また振り出しに戻って、神戸市役所の展望ロビー(24階)から東遊園地を見る。関電の1.17と竹灯籠の1.17が見えるおなじみの風景。 撮影は19:30ごろだが、もう終わりの様子で人影もまばら。この後、大型トラックなどが会場内に入場して来、更に投光機のライトも消えた。 展望ロビーからの北側の夜景。ちなみに、神戸国際会館の上にあるライトは「KOBEキャンドル」。復興し変化しつつある神戸の街を365日見守っている。




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